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部分入れ歯と総入れ歯?

かぶせ、入れ歯について

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口の変化

こんにちは。住岡龍一です。

部分入れ歯と総入れ歯。何となくの違いはご存知と思いますが、どれくらいの違いがあるのでしょうか。

一般的に部分入れ歯とは、ご自身の歯に入れ歯のバネ(金具)がかかっている場合のことをさします。総入れ歯とほぼ同じ大きさになっていても、1本だけでも歯が残っておりバネがかかっていると部分入れ歯です。入れば洗浄剤は、部分入れ歯用と総入れ歯用で成分が異なることがほとんどです。1本歯が守られており、バネがかかっている場合は、部分入れ歯用洗浄剤をお使いください。

残っている歯が数本やから抜いてしまって、部分入れ歯から総入れ歯に代えて欲しい、磨かなくてもよくなるし綺麗になりそうとおっしゃられる患者さんが時々いらっしゃいます。

私は、何とか頑張っている歯は使える限り抜歯せずに残して部分入れ歯を使用した方が良いと考えております。

総入れ歯だと、お口の中で入れ歯が色々と動けてしまいますが、部分入れ歯だと動きが規制されるため噛みやすく感じられる患者さんが多いようです。ただ、寿命を迎えつつある大きくぐらついている歯が残っている場合は、総入れ歯を入れた後の方が噛みやすくなったとおっしゃる患者さんもいらっしゃいます。大阪大学歯学部保存学教室出身者としては、可能な限り歯を守り、歯の本当の寿命まで残していきたいと考えておりますが、噛みやすさとの比較で、どうするのが今の状態で最善策なのかについては一緒に考えさせてください。

歯には、歯根(しこん)と呼ばれる根が歯茎の中にあり、歯根により顎骨(がっこつ)に保持されています。また、歯根と顎骨の間には歯根膜(しこんまく)と呼ばれるクッション材があります。このクッション材のおかげで、食事の時、歯に加わる力を吸収・緩和し、過度に力がかかり過ぎることを防ぎ、繊細な食感を感じることができます。入れ歯やインプラントにはこの歯根膜に相当する機能が弱いため、やはりご自身の歯が1本でも多く残っている方が食事も美味しく食べることができるのです。

統計上の話ですが、40代くらいから歯を失う方は急激に増加します。80歳の人の歯の本数の平均は、昭和62年(1987年)の時には4.7本でしたが、30年後の平成28年(2016)には15.2本まで増加しています。平均的な方で13本もの歯を失っており、入れ歯を使っている方が多いということです。

若い方は、歯がずっと健康であり、抜けたりなくなったりということは想像がつかないかたがほとんどだと思いますが、20代の頃までに何本か詰め物が入っている方は要注意です。むし歯や歯周病は感染症であるので、お口の中のことなので完全に治ることは難しく、あくまで進行を遅らせることしかできないのです。むし歯や歯周病は治療後、ほっておいてしまうと、数年で再発し、以前よりも悪くなります。

「治療後、数年後に再発のため再治療」ではなく、「治療後、その状態が長く続くようにお口のケアを行う」ことが重要です。健康なお口の中が維持できると、好きな食べ物を美味しく違和感なく食べられ、おしゃべりも何も気にせずにできますが、お口の中が不安定だと、人生の楽しみが減ってしまうのも事実です。

ご自身にかける時間が後回しになりがちかもしれませんが、大切な歯を長持ちさせるように予防歯科を一緒に行なっていきましょう。歯科受診が久しぶりな方でも、お気軽にJR加茂駅前の住岡歯科医院までご相談ください。

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